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倒錯のムーンライト・リバーシブル

※各章ごとにリンクを貼っています → [1] [2]
 

1.なおゆき

「あ、月だー」
 俺は思わず声を漏らす。学校から月が見えたのなんて初めてだ。窓越しの月は、少しくすんで見え、我慢できずに俺はがらりと窓を開け身を乗り出す。すっかり暗くなった空の真ん中に、ぽっかりと穏やかな月が浮かんでいる。
「ねえ、月だよ、さたけ」
 俺は振り返りさたけに声をかける。だけどさたけは目線を上げもしない。
「月だってば、さたけ」
「うん、うん聞こえてるよ」
 聞こえてるなら返事くらいしてくれればいいのに。俺は口をとがらす。
「つーか危ないからあんま窓から乗り出すなよ。三階だぞここ。そんで閉めろよ、窓。寒いよ」
 なんだよ、真面目ぶっちゃって。教室には俺とさたけだけ。ちょっとくらいサボったって怒る先輩も先生もいないのにさ。俺は小さくため息をつきさたけの隣に座る。
「なーさたけー、暇だよー」
「いや、暇じゃねーだろ。冊子作れし」
「冊子……飽きたっつーの」
 ほふぅと息を吐き、俺は机に顎を乗せる。机の上には、綺麗に並べられた紙束たち。
 ちらりと隣を見る。さたけはその紙束からひょいひょいと一枚ずつ紙を取ると、とんとんと整え半分に折り、パチリとホッチキスで留めた。携帯を見ると、もう午後七時半。三時間近くこの作業を続けている。
 俺は出来上がっている冊子の山から一部を手にとり表紙を眺める。『第三十二回 浜松商業高校文化祭』。文化祭のパンフレットなんて、いかにも優等生っぽいシロモノだ。俺には興味無い。

「さたけさー、それ飽きない?」
「飽きるも何も、終わんないと帰れないじゃん」
 さたけは忙しく手を動かす。さたけ。小学生の頃からの幼馴染だがこいつのことはよく分からん。優等生で、こういう行事なんかもくそまじめーにきっちり参加するが、でもなんか嫌味な感じがしない、不思議なやつだ。そして一番不思議なのは――そんな真面目サワヤカ野郎のくせに俺なんかに構ってくれるところだ。
 女子にも人気みたいだけど、まぁそれも納得だ。さたけには妙な安心感がある。でも何故か彼女はいないみたいだ。
 同じ「彼女いない」っつっても、俺とは大違いだよなあ……。
 俺だってそんなに見た目悪い訳じゃないと思うんだけどなぁ……。そう考えながら前髪をいじる。
「なぁさたけー」
「ん?」
 さたけは答えながらも手は休めない。
「あのさぁ、どうやったら女の子にモテんの?」
「は? なおゆきモテたいの?」
「そりゃーモテたいでしょ」
「ふーん」
 さたけは、さも興味なさそうにそっけなく返事をする。あー、なんか冷たいなあ。さたけは周囲にたくさん人が居る時には明るく振舞うくせに、こうして二人きりになると途端に物静かになる。おそらく、こちらが素なのだろう。
「でさ、どうやったらモテんのさ」
「そんなん聞かれても俺モテないし」
「えー? 何すましてんだよ、俺知ってるぞー。まなちゃんに告られたんでしょ?」
 さたけの手が、ぴくっと一瞬だけ止まったように見えた。
「……何で知ってんの?」
「なんか噂で聞いたー。で、どうしたの? OKした?」
「……いや、断った」
「えーー! なんでさー!」
 うちのクラスで、まなちゃんに告白されて断る男なんて居ないだろうと思っていた。少なくとも、俺は断らない。さたけは顔色も変えずに言葉を続ける。
「いやー、なんか俺、美人すぎる人と一緒に居ると緊張するんだよね」
「はぁ? なんだよそれ」
「いいから冊子作れって。早く終わらせちゃおーぜ」
「うー……」
 仕方無く紙を手にとる。
 淡々と紙を束ねながら、俺はぼんやりと、さたけがまなちゃんの告白を断った理由を考えた。まなちゃんはクラスで一番と言っていいほど大人しい女子だから俺は直接話したことはなかったけど、なんとなくさたけの事を気にしているんだろうなーとか思ってはいた。さたけにもその気はあるのかなーなんて考えていたのだけど……ますますさたけはいつも何考えてるかよく分からない。他に好きな女子とか、居るのだろうか。もしも居たとしても、俺は全然気付かないかも。
 と、そんな事をもやもやと考えていると。
「った……!」
 さたけが急に短く声をあげた。
「どったの?」
「あー……指切った」
「まじで?」
 見ると、さたけの人差し指からどくどくと血が出ている。
「あ、この冊子汚れちゃったなぁ」
「そんな心配してる場合じゃないでしょその血……あ、俺絆創膏持ってるよ。アンパンマンの可愛いのしかないけど」
 絆創膏、姉ちゃんに持たされてて良かった。
「手ぇ出して」
「いや、別にいいよこんなの」
「え? ここは別に遠慮するとこじゃないでしょ」
 躊躇するさたけの手をガッと掴んでひっぱる。
 何を遠慮してるんだこいつは。
 手をよく見ると、中指の腹がぱっくりと割れている。俺はその指を軽く舐め血を拭うと、絆創膏を取り出す。
 俺はちょっとだけ得意な気分になっていた。さたけの怪我を俺が介護してる。これ、結構珍しいことなのだ。
「さあ、これで大丈夫」
 指に巻き終わった後にさたけの顔を見ると、つまらなそうにそっぽを向いている。それを見て、俺は少し気分を害した。
「なんだよ、人がせっかく絆創膏巻いてやいてるのに」
「……別に頼んだ訳じゃないっしょ」
「はぁ? なんだよその言い方。何怒ってんだよ」
 素直じゃないなあ。こんなさたけは初めて見た。
「怒ってないだろ別に」
「怒ってるじゃんよ。なに、俺に絆創膏はられたのが気にくわなかったわけ?」
「そんな事言ってないだろ……」
「あー分かった。ほんとはまなちゃん、OKしたんじゃないの?」
「はぁ?」
「まなちゃんに絆創膏見られると、そんな可愛いの誰に貼ってもらったのよーとか嫉妬されて困るんでしょ」
「……」
「はいはい、俺ですいませんでしたね、今度は可愛い彼女にでも貼ってもら――」
 そこまで言いかけた瞬間。
 さたけは突然、ガンと椅子を蹴り俺に飛びかかった。
 俺はあまりに突然の出来事に何もできず驚いていると、さたけは俺の胸ぐらをつかみ、ドドンと俺を壁押し付ける。

「ちょ、な、ど、どうしたの」
「……いちいち五月蠅いんだよお前は」

 さたけはぎゅうと更に力を強める。さたけの顔に笑みはなく、ただひたすらに冷たい目がこちらに向けられていた。
 俺は混乱する。何を……さたけは一体何を怒っているんだ? 俺にはそれが分からず、ただ…怖かった。
「痛い……痛いよさたけ」
 俺は必死に身をよじるがさたけの手は外れない。
 一体どこにこんな力が……? 俺よりずいぶん小柄なはずなのに、俺にはさたけが、とても恐ろしい何かに見えた。
「二度と、そんな事言うな」
「そんな、ことって……?」
「ああいうこと……誰にされたから嫌だとか……」
「……?」
「俺の気持ちを、勝手に決めつけんなよ」
「何を……怒ってるのか……よく分かんないよ」
 俺が泣きそうになりながらそう答えると、さたけはにやりと笑った……ように見えた。
「お前は――それで良いんだよ。分からないままでいい」
「……分からないままで、良い? それってどういうこと?」
「だから、それも分からないままでいいんだ」
 さたけは更にぎゅううと力を込めると、顔を近付け俺を睨みつけ言った。
「二度と俺を怒らせるなよ」

 そう言い終わると、さたけはふっと手の力を抜き、すたすたと歩き椅子に座り直す。
 ぽかんと立ちつくす俺におかまいなしに冊子の紙を手にとり作業を再開しはじめた。
「さ、さたけ……」
「いいから、無駄口たたいてないでさっさと終わらせちゃおーぜ」
 そう言ってホチキスを使っているさたけの横顔は、先程までと何ら変わっていない。
 まるで今の出来事が、さたけにとって何でもない事であるかのように。
 俺はそのことに若干の悔しさを感じた。
 俺をあんだけ怖がらせておいて。俺をあんな気持ちにさせておいて。それでもさたけにとっては「何でもないこと」だって言うの?
 いや、でも、だけど。
 だけど、それと同時に――
(まあ、何も変わらないなら、それでもいいかな)
 そんな気分に、なってしまっている自分に気付いた。
 先程のさたけの行動にはびっくりしたけど、でも俺は――今のさたけとの関係を壊したくない。さたけの真意はつかめないけど、でも、どうやら今まで通り仲良くしてくれるつもりのようだ。
 それなら、まあ、いいかな。
 さたけと今まで通り仲良くやっていけるなら、俺は多少のことなら許せる気がする。
 そう思い、俺は窓の外を眺める。
 夜空に浮かぶ月が、なんだかさっきよりも少し大きく感じた。


2.さたけ

「あ、月だー」
 なおゆきが、無邪気な声を上げた。月。月なんて、そういえばしばらく見てないな。そう思っていると、ガラっと窓の開く音がする。そして数秒遅れて、涼しい風が肌に貼りついた。
「ねえ、月だよ、さたけ」
 なおゆきの声が聞こえてくる。俺は意識して顔を上げないようにと努める。こういった所で気を抜くと、ダムが決壊してしまう。そんな恐怖を覚えているかのように。
「月だってば、さたけ」
「うん、うん聞こえてるよ」
 俺は仕方なしに、という雰囲気を出しながら返事をする。冷静に、あくまで冷静に。
「つーか危ないからあんま窓から乗り出すなよ。三階だぞここ。そんで閉めろよ、窓。寒いよ」
 俺がそう言うと、なおゆきは素直に窓をしめ、とてとてと歩き俺の隣に座る。
「なーさたけー、暇だよー」
「いや、暇じゃねーだろ。冊子作れし」
「冊子……飽きたっつーの」
 そう言い机に顎を乗せる。ちらりと気付かれないように視線を移すと、なおゆきのつむじが目に入った。
 俺は高鳴る胸を押さえながら、淡々と、淡々と冊子を作り続けた。冊子など、永遠に作り終わらなければいいと思いながら。
 なおゆきはいかにもつまらなそうに出来上がったパンフレットを眺めている。俺のこと、糞真面目だとでも思っているのだろうか。俺はちょっとだけ、不安になる。
「さたけさー、それ飽きない?」
「飽きるも何も、終わんないと帰れないじゃん」
 まあね、と言い机の上で伸びをするなおゆき。俺の小学生の頃からの幼馴染。ただ、それだけのはずだった。それが何時から――「ただの幼馴染」ではなくなったのだろうか。俺は溜息をつく。我ながら情けない。たった一人の人間の一挙一動に、こんなに心を揺さぶられるとは。しかし、なおゆきはそんな俺に気付くはずもなく――
「なぁさたけー」
「ん?」
 急に声をかけられ、俺は内心ドキっとした。
「あのさぁ、どうやったら女の子にモテんの?」
 それを聞いて、俺は胸を撫でおろす。俺の考えていることは、なおゆきには感づかれていないようだ。とはいえ、まあ、当たり前か。
「は? なおゆきモテたいの?」
「そりゃーモテたいでしょ」
「ふーん」
 興味なさげに返事をしながら、俺は内心腹が立った。モテたい、か。当たり前だがなおゆきは女子が好きなんだろうか。そんな当たり前のことに腹を立てている自分は、一体何様なのだろうか。
「でさ、どうやったらモテんのさ」
「そんなん聞かれても俺モテないし」
 返事がぶっきらぼうになっている。かなり不機嫌になっている自分に気付いた。
「えー? 何すましてんだよ、俺知ってるぞー。まなちゃんに告られたんでしょ?」
「……何で知ってんの?」
「なんか噂で聞いたー。で、どうしたの? OKした?」
「……いや、断った」
 何故、ここであの女子の名前が出てくるのだ。
「えーー! なんでさー!」
「いやー、なんか俺、美人すぎる人と一緒に居ると緊張するんだよね」
 嘘では。なかった。
「はぁ? なんだよそれ」
「いいから冊子作れって。早く終わらせちゃおーぜ」
「うー……」
 なおゆきは仕方無くと言った様子で紙を手にとり、作業を再開した。まな子は確かに……悪い子ではないと思う。少し大人しすぎるきらいはあるかもしれないが、大人しいというだけで嫌われるなんて中学生までだ。おそらく一般的な男性の視点からして、まな子は魅力的な女性なのだろう。ただ問題は、俺は一般的な男性でないという点であって……。
 と、そんな事をもやもやと考えていると。
「った……!」
 右手中指に、突然熱さを感じた。見ると、中指の腹がぱっくりと割れ、血が滲み出ている。
「どったの?」
「あー……指切った」
「まじで?」
 出来上がった冊子を見ると、一番上の一冊に血が付いてしまっている。
「あ、この冊子汚れちゃったなぁ」
「そんな心配してる場合じゃないでしょその血……あ、俺絆創膏持ってるよ。アンパンマンの可愛いのしかないけど。手ぇ出して」
 どくん、と、胸が高鳴るのが分かった。
「いや、別にいいよこんなの」
 突然の提案に驚いて、俺はとっさに断ってしまう。
「え? ここは別に遠慮するとこじゃないでしょ」
 なおゆき躊躇する俺の手をガッと掴んでひっぱる。
 なおゆきが、なおゆきの手が、俺と触れあっている。
 そんな日常的であるはずの状況に、俺はくらくらした。
 そんな俺にはおかまいなしで、なおゆきは俺の指を軽く舐め血を拭う。
 なおゆきの舌のザラっとした感触が、指から伝わる。温かい。軽く触れた唇の柔らかさは、赤ん坊の頬を連想させた。
「さあ、これで大丈夫」
 一秒も立たずに口を離し、指に絆創膏を巻く。ああ、もう少しくらい口づけしてくれてもいいのに。そう思っていると、なおゆきはふと顔を上げる。まずい。今の顔を見せてはまずい。俺は全力で無愛想な顔を作成する。なおゆきはこちらを一瞥し、顔を少しだけしかめた。
「なんだよ、人がせっかく絆創膏巻いてやいてるのに」
 俺は必死で不機嫌そうな顔を傷住まいとする。
「……別に頼んだ訳じゃないっしょ」
「はぁ? なんだよその言い方。何怒ってんだよ。」
「怒ってないだろ別に」
「怒ってるじゃんよ。なに、俺に絆創膏はられたのが気にくわなかったわけ?」
 馬鹿、逆だ。しかしなおゆきにそんな事が分かるはずもない。
「そんな事言ってないだろ……」
「あー分かった。ほんとはまなちゃん、OKしたんじゃないの?」
「……はぁ?」
 言っている意味が分からず、思わず素が出る。
「まなちゃんに絆創膏見られると、そんな可愛いの誰に貼ってもらったのよーとか嫉妬されて困るんでしょ」
「……」
 この男は……何を言っているのだ。俺の気持ちが分からないのは良い。しかし、だからと言ってそんな……そんな事を言わなくてもいいだろう。俺が誰かに嫉妬? そんな事あるはずないのに。なおゆきは、自分の価値が――分かっていない。
「はいはい、俺ですいませんでしたね、今度は可愛い彼女にでも貼ってもら――」
 なおゆきがそこまで言いかけた所で、俺の中の大事な何かが壊れる音がした。
 瞬間、俺はガンと立ちあがるとなおゆきにつかみかかり、そのままなおゆきを壁に押し付けた。
「ちょ、な、ど、どうしたの」
「……いちいち五月蠅いんだよお前は」
 分かってない。何も分かってない。なおゆきは当然のように自分を卑下したが、それは俺にとっては耐えられないことだった。なおゆきの価値を誰よりも信じているのは、他でもない、この俺なのだ。
 だから、俺以外の誰かがなおゆきを傷つけたり貶めたりすることは、絶対にあってはならない事だった。それがたとえ――なおゆき本人だったとしても。
「痛い……痛いよさたけ」
 涙目になりながら身をよじるなおゆきの目に映るのは、単純な俺への畏怖だった。くそ、俺は、こんな目を見たい訳じゃないのに……。
「二度と、そんな事言うな」
「そんな、ことって……?」
「ああいうこと……誰にされたから嫌だとか……」
 俺にされたら嫌なんだろうとか、そんな、馬鹿げた、何かを諦めるような台詞を、俺は聞きたくない。
「……?」
 ただただ怯えるなおゆきを目の前にして、俺はあまりにも、無力だった。
「……俺の気持ちを、勝手に決めつけんなよ」
「何を……怒ってるのか……よく分かんないよ」
 分からない。分からないなら……でも、それでいい。なおゆきは、それでいいのだ。分かっているのは――分かっているからこそ辛いと感じるのは――俺だけで良い。この時俺は、自分が笑っているように感じた。
「お前は――それで良いんだよ。分からないままでいい」
「……分からないままで、良い? それってどういうこと?」
「だから、それも分からないままでいいんだ」
 俺は最後の最後で、心の底からの本心をなおゆきにぶつけた。
「二度と俺を怒らせるなよ」

 そう言うと、俺は手を離しすたすたと歩き椅子に座り直した。
 耳まで赤くなっているのが自分でも分かる。それをなおゆきに悟られまいと、俺は無心になって作業を再開する。
「さ、さたけ……」
「いいから、無駄口たたいてないでさっさと終わらせちゃおーぜ」
 強引にそう言い切り、俺はホッチキスを手に取る。心臓が、どっくどっくと鳴っている。なおゆき。なおゆきは、今の俺の行動をどう感じただろうか。俺の本心など分かるはずが無い……と思う。
でも、もしもその片鱗でも気付かれたら? もしも気付かれたら……いや、もしも気付かれたら、そんな幸せなことはないだろう。俺のこの心の乱れも、そこで終わってくれる。なおゆきが全てを理解し、俺がなおゆきの胸で思い切り泣けたらどれだけ幸せだろう。しかし不幸なことに――なおゆきにはそんな気配は微塵も感じられない。今日もぽかんと、何事もなかったかのような無邪気な顔で、また、月を見ているようだ。
 いつか、あの無垢な表情を俺だけに向けてくれる日が来るのだろうか。
 いつか、俺はなおゆきの月になれる日が来るのだろうか。
 おそらく、そんな日は来ない。
 こんないびつな現状に満足していないにも関わらず、俺はあと一歩を踏み出す勇気を持たず――なおゆきもそれを許さず――また、今日という日が終わって行くのだ。
 当然のように夜空に輝く月が、なんだかとても羨ましいと感じた。


<了>

 

 

 

 


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